
この記事でわかること
- 手書きの一覧表をやめ、会期から「開催中・開催予定・開催済」が自動で切り替わる仕組み
- CSV でまとめて登録・修正できる管理画面(取り込む前に、何がどう変わるかを見せる)
- 取り込めない行を、Excel に戻らずその場で直して再確認できる導線
- 「中止」「延期」「日程未定」という、日付だけでは表せない状態の扱い方
- 検索エンジンや生成AIに、会期・会場を機械が読める形で渡す設計
年間を通じて全国の展示会に出展されているノベルティグッズ製造業のお客様から、「出展情報の更新に手間がかかる」というご相談をいただきました。Wordpressサイトの固定ページで出展一覧を手で書き換える運用をやめ、1件ずつのデータとして持たせ、会期から表示が自動で決まる形へ入れ替えた事例です。
会期が終わるたびに、表を直す——「更新が作業になっていた」出展情報

出展予定と過去の出展実績は、Wordpress固定ページの本文に手書きの表として作られていました。会期が過ぎた展示会は「予定」の表から「終了」の表へ手で移し替える必要があり、消し忘れれば終わった展示会が予定として残ってしまいます。新しい出展が決まるたびに行を足し、日付順に並べ直す。この繰り返しが、地味に時間を取っていました。
もうひとつ、見えにくい問題もありました。本文には「7月31日(金)〜8月4日(火)」のように年が書かれていません。人は文脈で今年のことだと分かりますが、検索エンジンや生成AIには分かりません。実際、同じ分野の検索でAIが示す「直近の展示会」に、すでに終わった催しが挙がっている状態でした。
「一覧を手で直す」から「1件ずつのデータを持つ」へ

解決の方向は、表を作り直しやすくすることではありません。展示会1件=1件のデータとして持ち、表示は日付から自動で決める形に変えることです。ページのURLは変えず、見た目も従来の表組みのまま、中身の持ち方だけを入れ替えました。
Claude CodeやCodexとWordpressを接続して、ページ情報の修正をAIで行うという方法もありますが、今回はそれらのツールを使用できない・使用しない担当者が、展示会情報を更新するという前提で、Wordpressテーマ内の機能として作り込みました。
会期から表示が決まる——並べ替えも移し替えも不要にする

展示会名・会期・場所・会場・小間番号・概要などを入力項目として持たせ、「開催中/開催予定/開催済」の振り分けは会期から自動で判定します。会期が来れば開催中に移り、終われば開催済に落ちる。日付を過ぎた展示会を消す作業も、並べ替えの作業もなくなりました。トップページにも「次回の展示会」が自動で表示されます。
日付だけでは表せない状態も扱えるようにしています。中止は日付どおりの位置に「中止」と明示して残し(会期が過ぎたら一覧からは外す)、延期は当初の会期を残したまま開催予定の末尾へ。出展は決まったが会期が未発表という場合は、開始日を空欄のまま登録できます。日付を必須にすると仮の日付を入れることになり、そのほうが害が大きいためです。
CSVでまとめて更新できる。ただし「取り込む前に、何が起きるか」を必ず見せる
年間の出展予定がまとまって決まることもあるため、管理画面にCSVの書き出し・取り込みを用意しました。登録済みの全件をExcelで開ける形で書き出し、手元で編集して戻せます。
ここで大事にしたのは、ファイルを選んだ時点では1件も書き込まないことです。アップロードしたら、まず「新しく追加◯件/書き換え◯件/変更なし◯件/エラー◯件」を数え、行ごとに中身を見せます。納得してから取り込みを実行する、という順番にしています。

すでに登録されている展示会がCSVに含まれていたときは、変わる項目だけを「今の内容」と「CSVの内容」で並べます。「上書きしますか?」とだけ聞かれても、どちらが正しいかは判断できません。新旧を並べてはじめて、行ごとに「書き換える/そのままにする」を選べるようになります。

中身がまったく同じ行は「変更なし」として、選択肢すら出しません(判断を求めないし、書き込みもしない)。また、CSVに列そのものが無い項目は触りません。「展示会名・開始日・会場」だけの3列のCSVを取り込んでも、概要や小間番号が消えることはありません。
エラーはその場で直す——Excelに戻らなくていい
日付の書き方が読み取れない、URLが https:// から始まっていない——そうした行は取り込みません。ただ、そのたびにExcelへ戻って直し、選び直すのは面倒です。そこで確認画面の入力欄で、その場で直せるようにしました。どこが問題なのかを行ごとに示し、該当の欄を色で示します。

直したら、もう一度判定をやり直します。ここが実装上の勘所でした。日付や名前を直すと、重複しているかどうかも、どこが差分なのかも変わります。直した内容がそのまま書き込まれると、「新しく登録します」と表示されていた行が、見ていない既存データの上書きになりかねません。そのため「修正 → 再確認 → 取り込む」の3段にしています。


直した行はその場で「エラー」から「新しく追加」に変わり、上の集計も数え直されます。エラー行を直さずに「エラー行は飛ばして取り込む」を選ぶこともできます。
検索エンジンと生成AIに、「いつ・どこで」を渡す

デザイン上、本文には年を出しません。そこで見た目は1pxも変えずに、機械に対してだけ年月日を渡す形にしました。あわせて、ページの説明文(検索結果に出るスニペット)が直近の展示会を自動で差し込むようにしています。人手で毎回書き換える運用は続かないためです。
会期・会場・開催状態は、構造化データとしても出力しています。中止・延期の情報を消さずに「中止である」と伝えられる形にしているのは、消してしまうと機械の側からは「情報が無い」としか分からないからです。
この事例から学べること——「入力してもらう画面」こそ丁寧に作る

この案件で手数をかけたのは、表示側ではなく入力側でした。一括更新の機能は、便利であると同時に「一度に大きく壊せる」機能でもあります。取り込む前に差分を見せる、変更のない行は触らない、列が無い項目は書き換えない、直したら判定をやり直す——こうした作りは、どれも「気づかないうちに消えていた」を防ぐためのものです。
あわせて、実際の画面のラベルやボタン名を突き合わせながら操作手順書をお渡ししています。1件だけ登録したいとき、中止・延期になったとき、まとめて更新したいとき——それぞれの場面で迷わないようにするためです。仕組みは、使い続けられてはじめて効果が出ます。
なお、こうした「社内の更新作業をなくす仕組み」は、展示会情報に限りません。セミナー・キャンペーン・取扱店舗・採用の募集要項など、期間や状態で見せ方が変わる情報には同じ考え方が使えます。
「担当者しか更新できない」「更新が後回しになって情報が古いままになる」といったお悩みがあれば、無料相談の場をご用意しています。いまの更新作業の流れを伺いながら、どこを自動にできて、どこは人が決めるべきかを一緒に整理いたします。
案件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | ノベルティグッズの製造 |
| B2B/B2C | B2B |
| ご依頼内容 | 既存サイトへの機能追加(展示会情報の更新自動化) |
| 制作期間 | 約2週間 |
| 予算 | 〜20万円 |
| 進め方 | フルリモート。検証環境でご確認いただきながら反映 |
| 規模 | 展示会情報ページ+トップページの表示/初期データ28件の移行 |
| 主要機能/特徴 | カスタム投稿+入力項目11種/会期からの自動振り分け/中止・延期・日程未定/CSV入出力(取り込み前の差分確認・その場修正)/トップの次回展示会カード/構造化データの自動更新 |
本記事でご紹介した課題や解決までの取り組みは、実際のご支援事例にもとづくものです。お客様の実際の課題・背景や予算に踏み込んだ内容を含むため、企業情報は架空のものに置き換えており、実際の業種・商材などとは異なります。個別のお打ち合わせでは詳細をご紹介できますので、本事例にご興味のある方はお気軽にお問合せ下さい。
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