受講後、次の4つを自社のサイトに対して、自分の手でできる状態になります。
これまで、検索の結果は「10本の青いリンク」でした。自社サイトが何番目に出るかを見ていれば、見え方はおおむね把握できました。いま、その手前にAIの回答が入りました。利用者は回答を読み、必要なときだけ出典をたどります。
つまり「何番目に出るか」より「回答の根拠として引用されるか」が効くようになりました。しかも、1つの回答に載る出典は数件しかありません。上位表示の話ではなく、椅子取りゲームです。★モデルが更新されると学習内容ごと変わるため、早く基準点を置いたほうが有利です。
「うちのような規模には関係ない」と思われるかもしれません。実際には逆方向に動いています。2026年6月24日、パリの VivaTech 2026 で、LVMH(ルイ・ヴィトンやディオールを擁する世界最大のラグジュアリーグループ)の情報システム担当ディレクター Franck Le Moal 氏が、「Most Promising Award」をニューヨークのスタートアップ Bluefish に授与しました。
Bluefish が提供しているのは、ブランドが ChatGPT・Gemini・Perplexity の回答の中でどう現れるかを測定し、最適化するプラットフォームです。=本書で扱っているものと同じことです。(出典:VivaTech 2026 での発表を複数の業界メディアが報道)
| 事実 | 含意 |
|---|---|
| 世界最大のラグジュアリーグループが、LLM内での見え方を測る会社を公に表彰した | 「AIにどう見えるか」はもう実験ではなく、経営課題として扱われている |
| 表彰したのが情報システム担当ディレクターだった | マーケティング施策ではなく、計測基盤の話として位置づけられている |
| 「SEOからGEOへ」と明言された | 順位を上げる発想から、回答に引用される発想への転換 |
Search Console には、2026年6月から生成AI面のレポートが追加されました。いま、ご自身の管理画面を開いてみてください——表示回数しか出ません。★これは使い方の問題ではなく仕様です。だから自分で測る必要があります。
| 見たい指標 | 取れるか |
|---|---|
| 表示回数 | 取れる |
| クリック数 | 取れない |
| CTR | 取れない |
| 検索クエリ | 取れない |
| 平均掲載順位 | 取れない |
先に線を引きます。ここを混ぜると、数字が動いたときに理由を説明できなくなります。
| 経路 | ○ 分かること | ✕ 分からないこと |
|---|---|---|
① 需要side 想定質問をAIに聞く ★今日やるのはここ | この問いなら挙がるか/引用されるか。 競合は誰か | 実際に聞かれた頻度 (重みが分からない) |
② 供給side サーバログのAIクローラ | どのURLが回答生成のために 取りに来られたか | どの質問に対してか (課金ゼロ) |
③ 流入side リファラ(GA4) | 引用されクリックまで至ったページ | クリックされなかった分 (大多数) |
質問を、事業内容の説明だけから書かないでください。ここが今日いちばん大事なところです。
| やること | 見るところ | |
|---|---|---|
| 1 | Search Console を開く | 検索結果 → クエリ |
| 2 | 期間を3か月にする | 右上の期間 |
| 3 | 表示回数の多い順に並べ替える | 表示回数の列 |
| 4 | 自社名を含む語を外して、上位20〜30語を控える | — |
想定質問は仮説です。層は3つに分けます。それぞれ測る目的が違うので、混ぜてはいけません。★named(指名)は成績でなく、測定装置の生存確認のためのものです(→ 2.2)。
| 層 | 数 | 何を書くか | 測る目的 |
|---|---|---|---|
| broad(ふわっと) | 8問 | 自社を知らない人が、課題の段階で聞くこと | 認知・競合の発見 |
| specific(具体) | 10問 | サービス名・機能名・地域・条件が入った質問 | マッチング・受注 |
| named(指名) | 2問 | 「〇〇社はどんな会社ですか」 | ★陽性対照 |
| やったこと | 起きた結果 | 正しい読み方 |
|---|---|---|
| 22問を測った | 指名は2問とも出た。broad は 0% | 装置は正常。「実力が0%」=施策を打つ |
| 同じ22問を測った | 指名が2問とも出ない(全滅) | ★「順位」でなく「装置の故障」。ここで停止します |
| スクリプトが止まった | 数字が出ない | 接続・キー・実行フォルダを疑う |
同梱の _template.yaml をコピーして、自社版として埋めます。右の記入例は右上のボタンで丸ごとコピーできます(読めなくても大丈夫です)。
名前: 値 のコロンの後に半角スペースが要るAPIの前に、手で1問聞いてみてください。概念を体で掴むためです。指名質問を1つ、ChatGPT・Gemini・Claude のどれか(お使いのもので構いません)にそのまま貼るだけです。見るのは右の2つだけ。この2つは別物で、打ち手が違います(→ 4.3)。
20問×4AI=80 回を、担当者が毎月同じ条件で手で打ち直す——この作業が続きません。そして続かないと定点観測になりません。1 回のスナップショットに価値はなく、繰り返した差分だけが価値です。
同じ質問で、こう分かれました。CLI側の誤差の向きは「在るのに見落とす」側です。= CLIだけで測っていると、施策が効いたのに気づけません。
| 私たちが使った経路 | その経路が返した結果 |
|---|---|
| OpenAI API(web_search) | ✅ 当社のURLを2番目の出典として引用した |
| Gemini API(グラウンディング) | ✅ 当社のドメインを2番目の出典として引用した |
codex CLI(ChatGPTサブスク経由) | ❌ 当社に言及すらしなかった |
claude CLI(Claudeサブスク経由) | ❌ 当社への言及なし |
| エンジン | 推奨する経路 | 22問1回あたり |
|---|---|---|
| ChatGPT系 | OpenAI API | 約 ¥70 |
| Gemini系 | Gemini API | 約 ¥50 |
| Claude系 | サブスクのCLIで代用可 | ¥0 |
| Gemini(サブスク) | ★代替なし | — |
この4つは同梱スクリプトに実装として入れてあります。意味を知らずに外すと、気づかないまま間違った数字を信じることになります。
codex や claude のCLIは、起動したフォルダの指示ファイルを自動で読みます。答えを知った観測者は実力より良い数字を出します。レポートには数字が並びますが、判断に使うのはこの4つです。
同じ方法(22問×4AI=88 回)を4社に当てました。引用率は0か100かではなく、積み上がるものだと分かります——6.8% → 18.4% → 29.8% → 41.4% ときれいな階段になりました。
| 会社(業種は一般化) | ふわっと | 具体 | 全体 |
|---|---|---|---|
| Web制作・AI導入支援(当社) | 0% | 4.2% | 6.8% |
| 製造業A(自社ブランド製品) | 3.1% | 14.9% | 18.4% |
| 製造業B(受託製造・OEM) | 9.7% | 31.1% | 29.8% |
| 業務管理SaaS | 16.7% | 55.3% | 41.4% |
| Claude | codex | Gemini | OpenAI | |
|---|---|---|---|---|
| 製造業A | 18.2% | 18.2% | 9.5% | 27.3% |
| 製造業B | 50.0% | 27.3% | 16.7% | 22.7% |
結果から施策を出すとき、まず2種類に切り分けます。混ぜたまま手を打つと、安く直せるものに高い手を打つことになります。
ある医療情報の提供サイトで、2026年7月から8月にかけて既存ページを書き換えた実測です(新規ページは作っていません。57問×5AI=285件で測定)。
| ページに施した施策 | 引用率への効果 |
|---|---|
| 本文と同内容の表を置く | ★効いた(最優先) |
| 冒頭に結論のまとめ | 表ほどの差は語られていない |
| Q&Aを置く | 劇的な効果ではなかった |
| 監修者を明記/公開日・更新日 | 大きな違いは見られなかった |
| 目次/構造化データ(JSON-LD) | 個別の効果は確認されていない |
測っていて、別の実害が見つかりました。AIが持っている自社URLは古いのです。当社では、AI経由の流入26件のうち19件が旧URLでした。7月にパーマリンクを変更した際、301リダイレクトが一部消えていたため、それらは404に落ちていました。
2つだけです。閉じるとすぐ始められます。