M1 MacBookProからhp thunderbolt3ドック G2経由で外部ディスプレイに接続する

slightly opened silver MacBook

intel版MacBookProからM1 MacBookPro(2021)に乗り換えて、困ったことのひとつが周辺機器の相性。
超便利で気に入っていたhpのthundebolt3ドック G2を介したデュアルディスプレイ出力が、うまくいかなくなりました。

結局モニターを買い替えて、接続方法を変えることで解決を見たので経緯を記録しておきます。

目次

結論:Displayport⇒HDMIの変換はトラブルのもと

Displayport to HDMI変換ケーブル

MacBookProに接続したhp thunderbolt3ドックG2から、Displayport to HDMIで外部ディスプレイに接続していたことが原因で、画面表示に問題が出ていました。変換なし(Displayport to Displayport)であればちゃんと動作します。

M1 MacBookProからhp thunderbolt3ドックG2を介して外部ディスプレイ接続する際は、Displayportの変換はNG。Displayport to Displayportの「変換なし」で接続すべし。

MacBookPro(intel版)とhp Thunderbolt3ドック G2

  • MacBookPro Mid 2020 intel i5 (Big Sur11.6)
    • hp Thunderbolt3ドック G2
      • モニタ FS2333(USB-C to HDMI)
      • モニタ FS2333(Displayport to HDMI)

ケーブル1本を繋ぐだけで、モニタ・PCへの120W給電・周辺機器の接続ができてとても便利です。同じ構成で、WindowsノートPC(会社支給のノートPC)もそのまま使用できたので、PCの切り替えもケーブル1本でラクラク。

給電容量が高く、多機能なThunderbolt3ドック。メーカー直販サイトだと割引価格(2022年1月現在で2万円弱)で、私の知る限りでは最もコスパの良いThunderbolt3ドックだと思います。(半導体不足の影響なのか、ここのところずっと入荷待ちですね)

G2の拡張用オーディオモジュール(マイク&スピーカー)があるのですが、あちらはオススメしません。見た目はカッコいいのですが、音質が残念すぎる。Web会議向けの設計になっていて、とても音楽や動画の視聴には使えません。

MacBookPro M1(2021)に乗り換えたら外部ディスプレイの表示がおかしくなった

  • 14インチ Mackbookpro 2021 M1 Max (Monterey 12.1)
    • hp Thunderbolt3ドック G2
      • モニタ FS2333(USB-C to HDMI)
      • モニタ FS2333(displayport to HDMI)

さて、intel CPU版MacBookProと、WindowsノートPCでは全く問題なく快適に使えていたわけですが、M1 MacBookProで上記構成に接続すると、画面がサイケデリックな紫色になり、Displayport to HDMIの方は表示とブラックアウトを繰り返すようになってしまいました。

前述のとおり、ブラックアウトについてはDisplayportからHDMIへの変換が原因のようですが、intel版MacBookProとWindows10のノートPCでは同じ現象が生じないので、M1版MacBookPro固有の問題なのだと思います。

色が紫色(サイケデリックな表示)になる

YUGカラースペースをRGBで表示すると紫色のサイケデリックな配色に

まず、色の問題。
これはモニタ側の設定が関係していたのですが、画面が紫色に染まりまともに見ることができません

MacBookProの映像出力はRGBではなくYUV(あるいはYcbCr)で出力されているらしく、ディスプレイ側のカラースペースがRGBの設定になっていると、映像が紫色になります

EIZO FS2333の場合は、ディスプレイ本体の設定でカラースペースをYUG(4:4:4)または自動にすることで、正常な色で表示されました。MacBookProの外部ディスプレイの表示が紫色になったら、ディスプレイ側の色設定(カラースペース)を見直すと吉です。

これとは別の話ですが、なんとなく画面が黄色みがかって見える印象がありましたが、こちらは「True Tone」によるものでした。
対象のディスプレイでなく、macbook内蔵ディスプレイの項目にあるやつのチェックを外すことで解消しました。

システム環境設定>ディスプレイ>ディスプレイ設定

度々ブラックアウトする・点滅する・表示されない

2台接続したうちの、Displayport to HDMIで接続している方のディスプレイが、まともに表示されません。
一瞬だけ画面が表示されて、ブラックアウトして、また一瞬表示されて、の状態が繰り返される現象。

一旦は、本体のHDMI出力端子(2021年M1Macbookから追加された)に直接接続することで暫定対応しました。

thundebolt3ドックへのUSB-C接続と、モニタへのHDMI接続で、ケーブルが2本になりスマートではありません
別のPCに切り替えるときも、2本差し替える必要があるので面倒。

これらの問題について、appleサポートで聞いてみましたが、やはりサードパーティ製の周辺機器のことなのでサポート外とのこと。

でも、サポートスタッフの方はとっても親切に話を聞いてくれましたし、さすがのappleという印象でした。macbook本機をどこぞに持ち込めば各接続端子が正常に動作しているのかのチェックをしてもらえるそうです。(要予約)

Displayport⇒HDMIの変換が原因だった

ところが違うモニタ(hp U32 4K)に、hp thunderbolt3ドック G2のDisplayport端子から変換なし(Displayport to Displayport)で接続したところ、正常に表示されました。どうやらHDMIに変換していたのがよくなかったようです。

確認のためhp U32 4Kに変換あり(Displayport to HDMI)で接続してみたところ、一瞬すら表示されず入力信号なしの状態でした。FS2333では一瞬だけ表示されて消えるを繰り返すので、何かしらの信号は飛んでいるのかもしれませんね。

補足:hp thunderbolt3ドック G2の映像出力端子

hp thunderbolt3ドックG2の接続端子
  1. USB-C(thunderbolt3) x1
  2. USB-C (USB3.1 / Displayport) x1
  3. Displayport x2
  4. VGA(D-Sub) x1

hp thunderbolt3ドック G2はHDMI出力を備えていないので、ディスプレイにHDMI接続する際はUSB-CまたはDisplayportから変換する必要があります。

また、②③のDisplayportの3つの端子は、すべてMST(マルチストリームトランスポート)ハブに接続しています。
MacBookProはMST非対応のため、hp thunderbolt3ドック G2に接続する場合は、Displayport端子は1つだけしか使用できません。

MacBookProにhp thunderbolt3ドック G2を通してモニタを複数接続したい場合は、以下の構成で接続できます。

  • USB-C (thunderbolt3)で1台
  • USB-C (USB3.1 / Displayport)またはDisplayportで1台
  • VGA(D-Sub)で1台(※未検証・4K非対応)

※VGAは4K表示に対応しておらず、最大解像度「2048×1152px」までの表示になります。フルHDのサブモニタ用途ならアリかな?

私の環境では、HDMI接続が必要であったため、相性を考慮して上記MacLab.の相性保証付き変換ケーブルを使用していました。

intel版CPUのMacBookPro(Mid2020)と、Windows10ノートPCでは、上記のDisplayport⇒HDMIの変換ケーブルでも問題なく使えますが、M1 MacBookProではDisplayport周りで何かしらの問題があるのかもしれません。

成功!MacBookPro M1(2021)とhp thunderbolt3ドックG2の接続構成

FS2333はDisplayportの入力端子がありませんでしたので、DisplayportからHDMIに変換するケーブルを使っていました。

一方、hp U32 4Kモニタは、Displayport入力端子があるので、thunderbolt3ドック G2からDisplayport変換なしで接続できます。映像の表示も全く問題なし。

繰り返しますが、Displayport⇒HDMIへの変換が良くなかったようです。

hp thunderbolt3ドックとMacBookProを接続
  • 14インチ Macbookpro 2021 M1 Max (Monterey 12.1)
    • hp Thunderbolt3ドック G2
      • モニタ U32 4K HDR(Displayport to Displayport)
      • モニタ FS2333(USB-C to HDMI)

これでMacBookPro本体に接続するケーブルはUSB-Cの1本だけ!

最大120Wの給電、外部ディスプレイ2台(本体とあわせてトリプルディスプレイ)、USB周辺機器の接続まで1本のケーブルでまかなえます。やはりhp thundebolt3ドック G2は最強だった。

正直、MacBookPro本体のmagsafe要らないからUSB-Cにしてほしかった。今後は接続端子のカスタマイズができるようになるといいですね。

MacBookProに接続した外部ディスプレイについて

左からFS2333・U32 4K・MacBookPro14インチ

EIZO FS2333

FS2333は、2012年に発売されたEIZOのゲーミングモニタ。
なんだかんだ、かれこれ10年も使い続けています。

10年前の製品なので、さすがにRGBやDCI-P3のカバー率は低そうですが、応答速度(中間階調域) については約3.4msと現行機とあまり変わらない数字のような・・・。あとなにげにリモコンが便利なんですよね。

ドキュメント用の縦置きサブディスプレイとして、まだまだ頑張ってもらうつもりです。

(NEW!)hp U32 4K HDR

かねてから動画・写真用に4Kモニタは導入しようとは思っていたのですが、WEB用途だとFHDで全然事足りてしまっていたので先送りにしていました。今回M1 macbookの接続問題があったので、いっそのことモニタを替えようと一念発起。

DCI-P3のカバー率が高くて、USB-C給電が可能なモニタとして、Dell(U2722DE・P3222QE)、BenQ(PD2705Q)あたりも悩みましたが、コスパが高くロゴの主張が控えめなhpのU32 4K HDRを採用しました。

メーカー直販6万円弱(2022年1月現在)で、31.5インチワイドの4K、DCI-P3 カバー率98%、USB-C給電65Wって、圧倒的なコスパ。
レビューはまた別の機会にしようと思いますが、自分の用途にはとても合っていて大満足です。

余談ですが、thundebolt3ドックとモニタでUSB-C給電機能がかぶっている件。hp thunderbolt3ドック G2からは120W給電、hp U32 4K HDRからは65W給電が可能です。それぞれMacBookProとWindowsノートPCに接続しておくと、充電用のケーブルも少なくて便利です。

  • hp Thunderbolt3ドック G2
    • USB-C(120W給電)⇒MacBookPro
    • USB-C to HDMI⇒モニタ FS2333
    • Displayport⇒モニタ U32 4K HDR
      • USB-C(65W給電)⇒WindowsノートPC

私の用途としてはこの仕様が実に便利で、日常的にメインで使うのはMacBookProだけれども、使用頻度の低いWindowsノートPCもとりあえず充電しておきつつ、いざ使いたいときは電源を入れるだけで4Kディスプレイに繋がるというありがたさ。

この場合は、thunderbolt3ドックには接続されないため、自動的に接続される外部モニタは1台のみです。MacBookProがMSTに対応してくれれば、Displayportのデイジーチェーン構成とか色々夢が広がるのになぁ。

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WHO WROTE

komadairaのアバター komadaira 代表社員・COO

地方テレビ局、歯科コンサル、中堅SIerを経て独立。ダイヤルアップ接続の時代にHTMLに魅せられ、なんだかんだ10年以上WEB制作に関わり続けている。

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