ワイヤレスヘッドホンATH-M20xBTの使用レビュー(3週間後追記)
audio-technicaプロフェッショナルモニターヘッドホン「ATH-M20x」の無線バージョン、「ATH-M20xBT」。
Amazonで★4.4(566評価)のモニターヘッドホンがBluetoothに対応したとのことで、これは期待できると発売日に衝動買い。
結果、とってもコスパの高い、お値段以上のヘッドホンと思います。
音楽・映画から、動画編集、Web会議までオールインワン。
1万円未満のヘッドホンとしては「間違いない」「とりあえず買っておけ」ですね!
Yahooショッピングで5のつく日、日曜日、などでポイントが多めにもらえる日が狙い目。
私は25日にちの購入でしたので、ポイント29%還元でした。(実質 7,029円)
Androidスマホ(Xperia1)と、M1 macbook(2021)で接続して使ってみたので簡単にレビューします。
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ATH-M20xとの比較
型番 | ATH-M20x | ATH-M20xBT |
価格 | 5,918円 | 9,900円 |
型式 | 密閉ダイナミック型 | 密閉ダイナミック型 |
ドライバー | φ40mm、CCAWボイスコイル | φ40mm、CCAWボイスコイル |
出力音圧レベル | 96dB/mW | 100dB/mW |
再生周波数帯域 | 15~20,000Hz | 5~32,000Hz |
最大入力 | 700mW | 記載なし |
インピーダンス | 47Ω | 36Ω |
質量 | 190g | 約216g |
接続方式 | 有線 | Bluetooth/有線 |
マイク | 無し | エレクトレットコンデンサー型 |
audio-technicaのモニターヘッドホン「Mシリーズ」の入門機「ATH-M20x」をBluetoothでワイヤレスにしてマイクを搭載して、かつ有線でも使えるようにした本機「ATH-M20xBT」。有線モデルの音質とコスパについては定評があります。
「有線モデルATH-M20x同等の音質をワイヤレスで」のキャッチコピー通り、有線モデルと同じくφ40mm CCAWボイスコイルドライバーを採用しています。有線モデルと比較して、音圧・周波数帯域が広がった一方で、インピーダンス(抵抗値)が低なっています。これは、BluetoothでスマホやPCなどのデバイスと接続する前提の設計になっているのだと思います。
一般的に、インピーダンスが高いと電流が流れにくくなるので、高音質でノイズが少ないかわりに音量が小さくなります。逆にインピーダンスが低いと、電流が流れやすいので、ノイズが入りやすいので低音質、音量は大きくなります。
イイところ
低遅延モード(Low latency mode)
電源/コントロールボタンを3回連続で押すと、低遅延モード(Low latency mode)のON/OFFを切り替えができます。
もともと低遅延モードOFFでも明らかな遅延を感じることはありませんが、低遅延モードをONにすると、映画やドラマでピッタリとリップシンク(俳優さんの唇の動きと音声が一致)します。
説明書に記載の対応コーデックはAAC、SBCの2つのみ。
コーデック | レイテンシ(遅延) |
---|---|
AAC | 120ms |
SBC | 220ms |
(非対応)aptX | 70ms |
(非対応)aptX LL | 40ms |
Qualcommの超低遅延設計のコーデック「aptX」や「aptX LL」は採用されていないようです。(ちなみにaptXはiPhone非対応)
本機の低遅延モードについては、どのような仕組みで低遅延を実現しているのかについては記載がありません。AACまたはSBCのコーデックを使用している以上、通常では少なくとも120ms(0.12秒)の遅延があるはず。
他社aptX非対応のBluetoothイヤホンの低遅延モード(ゲームモードなど)では、内蔵チップ(SoC)の演算能力により、コーデック遅延と転送遅延を実現しているそうですので、おそらくは本機も同じくSoCの頑張りによるものと思われます。
SoCの演算が必要ということは、通常モードに比べて消費電力が増加するということが予想されます。つまり、バッテリーのもちが悪くなると思われるので、音楽のリスニングなどでは通常モードの利用がよいかもしれません。
なお説明書によれば、低遅延モードでは、接続の安定性が低下することがデメリットとして記載されています。
障害物や電波状況により、Bluetooth通信が途切れやすくなる場合があります。
オーディオテクニカ
有線接続でも使える
ATH-M20xBTは有線接続でも使用できます。
電池がない場合のリスニング用と、無線接続の遅延(レイテンシ)を避けたい場合にも使えます。
ATH-M20xBTには低遅延モード(Low Latency Mode)が搭載されていますが、遅延がなくなる訳ではありません。
音ゲーや、楽器の練習、動画編集など、コンマ秒のずれにシビアなケースにおいては、有線接続がベストです。
なお、有線接続は3極(L・R・GND)なので、有線マイクとして使うことはできません。
マイク入力と、リモコン機能はBluetooth接続時のみ使用できます。
もしマイク入力も有線で使える仕様だったならば、WEB会議中に電池が切れてもすぐに切り替えができて便利なのになぁ。と妄想。
最大2台まで同時接続可能
Bluetooth機器に最大2台まで同時接続できるマルチポイントに対応しています。スマホとPCの2台両方に常時接続しておけるので、ペアリングをやりなおす必要がありません。
たとえばPCでヘッドホンを接続して作業中に、スマホの着信や通話を同じヘッドホンで行うことができて超便利。
- 1台目のデバイスとペアリング(本機の電源ON後、点滅中に接続先からペアリング操作)
- 1台目のBluetoothをOFF
- 2台目とペアリング
- 1台目のBluetoothをON
重量216gの最軽量クラス
ATH-M20x(Bluetooth非搭載の有線ヘッドフォン)の重量が190gですので、その差わずか26g。
オーバーイヤーヘッドホンとしては最軽量クラスの軽さです。
2時間ほど装着してみましたが、重さについては全然気になりませんでした。
多少耳が蒸れたり圧迫感があるのは、他のオーバーイヤーヘッドホンと変わらないです。
別売りで交換用のイヤーパッド(HP-M20xBT)も用意されています。
充電時間とバッテリー
満充電まで4時間ですが、10分くらい充電すればとりあえず使えます。
公式サイトによれば、「急速充電に対応しているので、10分の充電で約3時間使用可能」らしいです。
満充電の状態では、最大約60時間の音楽再生が可能です。
イマイチなところ
初日でイマイチだと思ったところは、あまり無いのですが、強いて言うなら次の2点。
付属の充電用ケーブルが短すぎる
付属の充電ケーブルの長さが、30cmしか無い件。
付属の充電用USBケーブルは本製品専用です。ほかの充電用USBケーブルは使用しないでください。
オーディオテクニカ
これはちょっと無理があるんじゃないかと思います。
USB-Cは規格がたくさんあるので、リスクを避けた結果とは思いますが、せめて仕様を明らかにしてほしい。
(急速充電に対応しているなら、USB PD対応?)
他社製のUSBケーブルを用いる場合は、メーカー保証外・自己責任になるのでくれぐれもお気をつけ下さい。
ちなみに本機を充電しながら、有線(ステレオミニプラグ)で音楽を聞くことはできました。
コントロールボタン(音量・電源)
音量+、電源/コントロールボタン、音量ーのボタンが並んでおり、凹凸があるので触ればわかるようにはなっていますが、手探りで位置を確かめてから感じ。ノールック一発で目的のボタンを操作するのは難しいと思います。
初日で直感的にすぐ使えるとは言えませんが、しばらく使っているうちに慣れるといいな。
その他
MacBook M1(2021)との接続について
再生、マイクの利用については全く問題なし。ペアリングもとってもスムーズでした。
MacOS MontereyからBluetooth Explorerが機能しないため、使用コーデックや接続の詳細については未確認です。(これ早く何とかしてほしい)
専用アプリ(Audio-Technica | Connect)について
2022/2/27現在、ConnectはATH-M20xBTに未対応のようです。
GooglePlay上のConnect説明ページには、対応機器リストの一覧に「ATH-M20xBT」はありません。
試しにアプリを入れてみましたが、製品が表示されず、取り扱い説明書の一覧にも「ATH-M20xBT」は載っていませんでした。
※2021年9月に発売された、上位機種のATH-M50xBT2およびATH-M50は対応しています。
まとめ:U1万円で、間違いないワイヤレスヘッドホン
1万円未満のヘッドホンとしては「間違いない」ワイヤレスヘッドホンだと思います。
ATH-M20xBTの1台で、映画・音楽、動画編集、音ゲー、WEB会議とオールインワンで使うことができ、音質も悪くないので非常にコスパが高いです。
「有線接続もできる」1万円未満のワイヤレスヘッドホンをお探しでしたら、とってもおすすめです。
ポイント還元率の高い日に、ぜひ。
[追記] 3週間使ってみたけど不満なし(充電ケーブル以外は)
コロナで在宅勤務のため、購入後ほぼ毎日3〜4時間程度は使っています。
「低遅延モード」ではなく、殆どの場合は「通常モード」で接続しています。
- WEB会議(30分〜2時間)
- 作業用BGMまたは動画編集(2〜3時間)
- 動画視聴:Youtube/PrimeVideo(1〜2時間)
着用〜2時間くらいで耳が圧迫されてちょっと痛くなるかなーと感じます。
休憩をはさめば、重さ・圧迫感ともに私的には許容範囲。
音質については、めちゃくちゃ良いとか感動するレベルとは思いませんが、モニターヘッドホンらしい癖のない素直な音の印象です。eqMACとかのイコライザでちょっとだけ中低音を持ち上げるとソコソコ好みの音になりました。
公式で「60時間の連続使用」を謳っていますが、たしかにバッテリーの持ちが良い印象です。
1日の作業を終えて就寝前に充電するのですが、忘れてしまうことが多く、実際には2日または3日に1度充電して使っています。
また、電源を切り忘れて電源ONのまま一晩放置、ということも度々ありますが、翌日の午前中に残量ゼロということもありません。急速充電もあるので、会議前の5分に念の為の充電をしたりもできるので、使い勝手は良いです。
ATH-M20xBT本体は、電源を入れると機械音声(お姉さんの声)でバッテリー残量を教えてくれます。「Battery level high」「Battery level medium」「Battery level low」の3段階です。
私の使い方だと、「Battery level low」になることはほぼ無いです。1日目をフル充電で使用開始して、電源ONのまま一晩放置した翌日(2日目)がmediumで、夕方にlowになる感じでしょうか。とにかくバッテリーの持ちが良く、充電の頻度は少ないと言えます。
なお、肝心の「有線でも使える」機能については、動画編集にはとっても便利です。やはり「低遅延モード」と言えども、無線接続では遅延があるので、編集する身としてはタイミングのズレは気になります。なので、動画編集で音声やSEの調整、音と映像のタイミングをあわせる必要があるものは、有線で作業する必要があります。
無線⇒有線への切り替えは、本体の電源をOFFにして、有線ケーブルを繋ぐ感じです。
なお「低遅延モード」もそれなりに優秀なので、動画や映画・ドラマ鑑賞では有線接続は使っていません。見る分には低遅延モードで十分だと思います。
充電ケーブルについては、やはり付属の純正ケーブルだと短すぎちょっと不便です。私は保証を諦めて他のUSB-Cケーブルを使用しています。オーディオテクニカさんには、充電ケーブルを長くするか、対応しているケーブルの仕様について明らかにしてほしいです。
以上、3週間使ってみた雑感でした。